社交不安障害について
社交不安障害とは、人前での発表、友達との会話や食事など人前で注目が集まるような状況で、強い緊張、恐怖、不安を感じる状態です。
また、動悸、発汗や紅潮、ふるえ、腹痛などの症状がともなうこともあります。さらには、このような症状が再度出てしまうのではないかという不安から、人の集まるような場面を避けるようになり、学校や仕事などの社会生活から距離ができてしまうことが大きな問題です。
日本では「人見知りで」というと納得されてしまう文化もあり、性格の問題だと放置されていることがありますが、実は性格の問題ではなく、治療可能な疾患、と考えてみていただければと思います。
また、症状が慢性化してくると、うつ病やパニック障害など、他の精神疾患との合併が懸念されることもあります。不安な気持ちを抑えるためにアルコールを多量に摂取するようになったり、社会人として仕事をする中で、「お酒を飲むと楽しく社会参加できる」といった誤った考えがもとで、アルコール依存症になってしまう場合もあるため、早めにご相談ください。
社交不安障害には下記のような症状があります
- 話そうとしているのに、頭が真っ白になる
- 緊張で手が震える
- 冷や汗が止まらない
- 顔が赤くなる
- 動悸、息苦しさを感じる
- 通常より多めの汗をかく
- 何度も吐き気がする
- 口がカラカラに渇く
- トイレが近くなる、または尿が出なくなる
- めまいがする
- など
社交不安障害の治療について
社交不安障害は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの不足によって起きると考えられています。
そのため、脳の機能を調整する薬物療法と精神療法によって治療を行っていきます。薬物療法としては、抗うつ薬や抗不安薬などを慎重に処方する場合があります。精神療法としては、不安が出ているときに「ほかの人から変に思われているかも」と自己評価が低下していることもあるため、ものの捉え方や行動を変えることで生活しやすくなるお手伝いをしていきます。